論文 - 藪 敏裕
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『毛詩』に見える「萬舞」についてー邶風・簡兮篇を中心にー
藪 敏裕
石川忠久先生記念論集 ( 汲古書院 ) 2021年12月
その他(含・紀要) 単著
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従楚竹書《緇衣》篇看《毛詩》“緝熙”的訓詁
藪敏裕
出土文献 第一期 67 - 76 2020年01月 [査読有り]
国際的学術誌 単著
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二宮尊徳の『詩経』伐柯篇解釈
藪 敏裕
國際二宮尊徳思想学会第8回学術大会《報告書》 48 - 56 2019年10月
学会誌 単著
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世界遺産"平泉"名称起源考
藪 敏裕
一帯一路儒家文明創新論壇叢書:東亜儒学研究 258 - 268 2019年05月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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從上博簡「孔子詩論」看『毛詩』齊風的詩意—以東方未明、猗嗟爲中心
藪 敏裕
蹴鞠与斉文化 第22届国際歴史科学大会淄博衛星会議文集 191 - 199 2019年01月 [査読有り]
国際的学術誌 単著
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從《清華簡》金縢篇看周公事績與《豳風》毛序
藪 敏裕
保護與傳承視野下的魯文化学術検討会論文集 300 - 315 2018年12月
国際的学術誌 単著
『清華簡(壱)』金縢篇にみえる周公説話を分析し、周公に関する説話が、金文や『孟子』に見られるような文王・武王・成王に仕えた家臣とする戦国期の説から、『荀子』による周公即位説の創作を経て、さらに『禮記』文王世子篇『禮記』明堂位篇『尚書大傳』『尚書中候』『韓詩外傳』『説苑』など見える周公摂政説に展開していったことを明らかにした。そして、周公に関係づけられ周公摂政説を採用する豳風『毛序』も、漢代文帝期の張生・歐陽生の撰述した『尚書大傳』の記述から見てそれ以降の制作ではないかと推測した。ただ、これは豳風篇『毛序』の成立のみについての見解であり、『毛序』全体はまた別途検討が必要であることも付言した。
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『清華大学蔵戦国竹簡(壱)』「耆夜篇」に見える「誦」と「訶」の解釋
藪 敏裕
新しい漢字漢文教育 65 27 - 39 2017年11月 [査読有り]
学会誌 単著
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從“王事靡盬”解釋看《毛傳》的訓詁態度
YABU toshihiro
世界漢字学会第五届年會國際学術検討會會議論文集 93 - 94 2017年09月
国際的学術誌 単著
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『上海博物館藏 戰國楚竹書(一)』から見た『毛詩』に見える「緝熙」の解釋
藪 敏裕
中國出土資料研究 ( 21 ) 22 - 39 2017年07月 [査読有り]
全国誌 単著
現行本『毛詩』には「緝熙」と言う表現が五箇所で見える。この「緝熙」を含む詩句を引用している『郭店楚墓竹簡』及び『上海博物館蔵 戰國楚竹書(一)』の該当箇所の字を檢討することにより「緝熙」の意味について考察した。この引用は文王篇第四章の冒頭二句「穆穆文王、於緝熙敬止」の引用であるが、この二句について『毛傳』は「穆穆、美也。緝熙、光明也」と注し、またその『鄭箋』は「穆穆乎文王、有天子之容。於美乎、又能敬其光明之德」と注する。以後「緝熙」は、朱熹を除いて大體「光明(光輝く)」の意味で理解されてきた。
しかし、この「緝熙」に相当する箇所は『上海博物館蔵 戰國楚竹書(一)』「 衣篇」第十七簡の隷定に対する李家浩の補訂により「 」と、また『郭店楚墓竹簡』「茲衣篇」十六章では「 」と、隷定されている。「 」「 」と隷定された字(現行本の「緝」)については、裘錫圭が「 」「緝(清母緝部)」「襲(邪母緝部)」三者が比較的音が近いとすること、及び『説文解字』糸部に「緝、績也」とあること等の理由から、「踏襲・繼承する」意味が妥当ではないかと推定とした。また「 」及び「 」と隷定される字(現行本の「熙」)については、『史墻盤』「亟 (熙) (桓)慕(謨) (亟ひに (桓)なる慕(謨)りごとを (熙)ぐ)」の「 」に対する裘錫圭の解釈「發揚光大(拡大し向上させる)」が適用できる可能性が髙いこと、『説文解字』 部には「巸、廣 也」とありこの段注が「熙訓廣、而熙乃巸之叚借」と言うこと等の理由から、「廣げる」意味が妥当ではないかと推定した。
最後に、『郭店楚墓竹簡』「茲衣篇」十六章全体の意味を檢討した。十六章は統治者の言行が人民に影響を与えるので、統治者はその言行を慎重にすべきことを主張する文である。ここで引用される文王篇「穆穆文王、於緝熙敬止」は、「緝熙」を継承し廣げる意味として「(發言行動を慎んだ)すばらしい文王、(人々も)これを繼承し廣めて(言行を)敬むであろう」と解釈した方が、全体を整合的に理解できることを述べた。 -
《荀子》対《天作》《我将》篇的解讀及其意義
藪 敏裕
孔子研究2017年第一期 60 - 70 2017年01月 [査読有り]
学術誌 単著
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清華簡所見周公事績考
藪 敏裕
蹴鞠与齊文化 第2届国際歴史科学大会淄博衛星会議文集 ( 文物出版社 ) 191 - 199 2016年11月
学術誌 単著
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從上博簡《孔子詩論》甘棠篇的 解釋看《詩》的成立
藪 敏裕
孔子學刊 7 29 - 44 2016年09月 [査読有り]
国際的学術誌 単著
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从上博简「孔子詩論」看『毛诗』齋風的詩意-以東方未明、猗嗟為中心
藪 敏裕
第22届国際歴史科学大会淄博衛星会議論文彙編 2015年08月
その他(含・紀要) 単著
『上海楚竹書(一)』「孔子詩論」第十七簡が引用する齋風・東方未明篇の解釈と、第二十一簡と第二十二簡が引用する齋風・猗嗟篇の解釈は、それぞれ篇の『毛序』の「刺(そしる)」意味の解釈とはことなることを明らかにした。東方未明篇は自分に思いをよせる男性への女性の気持ちを巧みに歌うとする解釈で、また猗嗟篇の「 (吾)憙(喜)之」は、四本の矢が同じ場所に的中し、國の混乱を禦ぐということを喜ぶと言う原義的解釈であることを孔子詩論の作者は認識しているのではないかと推定した。『毛序』がいう「猗嗟、刺魯荘公也。齊人傷魯荘公有威儀技藝、然而不能以禮防閑其母。失子之道、人以爲齊侯之子焉」と言う刺(そし)る解釈は「孔子詩論」には全く見られない。「孔子詩論」に全くその痕跡が確認されない以上、詩序を子夏の作と考える従来の説については再検討が必要であると思われる。
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先秦出土文献所見大禹伝説考述
劉海宇・藪敏裕
紀年二里頭遺跡発現55周年学術研討会論文・提要集 117 - 130 2014年10月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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從甲骨金文資料看商代的池苑
劉海宇・藪敏裕
『夏商都邑与文化(一)』 443 - 456 2014年10月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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上海蔵戦國楚竹書 《孔子詩論》所見〈甘棠〉篇 解釈的意義
藪 敏裕
世界漢字學會第二届年會 世界漢字學會日本分會 212 - 221 2014年08月
その他(含・紀要) 単著
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「偃師商城発見三十周年記念国際学術シンポジウム」参加報告
藪敏裕、劉海宇
平泉文化研究センター年報 2 147 - 149 2014年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 共著・分担
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『詩経』所見緝熙解(提綱)
藪 敏裕
2013第六届世界儒学大会論文集 551 - 553 2013年09月
その他(含・紀要) 単著
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出土資料に見える商代の苑池
藪敏裕、劉海宇
平泉文化研究年報 ( 13 ) 47 - 54 2013年03月 [査読有り]
学術誌 共著・分担
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西周金文に見える苑池について
藪敏裕、劉海宇
平泉文化研究年報 ( 12 ) 25 - 36 2012年03月
その他(含・紀要) 共著・分担
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《诗经》所见的祖灵崇拜ー以《周颂·清庙之什》的祖灵崇拜为中心
藪 敏裕
2011第四届世界儒学大会論文集 646 - 648 2011年09月 [査読有り]
国際的学術誌 単著
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古代中国と平泉庭園
藪敏裕、劉海宇
平泉文化研究年報 ( 11 ) 43 - 54 2011年03月
その他(含・紀要) 共著・分担
先秦期から漢代にかけての古典に見える苑池について概要を述べた。
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『詩経』に見える祖霊 ー周頌・清廟之什の祖霊祭祀を中心にー
藪 敏裕
東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成 研究成果報告書 5 351 - 356 2009年03月
その他(含・紀要) 単著
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『詩』解釈から見た『郭店村楚墓竹簡』と『戦国楚簡』の成立
藪 敏裕
文部省科研費基盤研究(C)(2)「『詩』解釈から見た『郭店村楚墓竹簡』と『戦国楚簡』の成立」報告書 2006年03月
その他(含・紀要) 単著
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上海博物館蔵戦国楚竹書『孔子詩論』所引の『詩』理解 --周頌・清廟之什・清廟篇を中心として--
藪 敏裕
岩手大学教育学部研究年報 63 ( 1 ) 198 - 193 2003年02月 [査読有り]
学術誌 単著
戦国中期の楚墓から発掘されたとされる上海博物館所蔵『戦国楚竹書』孔子詩論に引用される『詩』の解釈を研究対象とした。それを先秦から漢代の詩経学のなかにどう位置づけるかについて、近年の原義解釈や『毛傳』『毛序』と比較しながら検討した。
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『詩』解釈からみた『郭店楚墓竹簡』茲衣篇の成立
藪 敏裕
岩大語文 ( 9 ) 1 - 9 2002年09月 [査読有り]
学術誌 単著
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〈詩経・周頌・清廟之什〉所見祖霊祭祀
藪 敏裕
斉魯学刊 二〇〇二年 ( 教育教学研究専輯 ) 106 - 110 2002年08月 [査読有り]
学術誌 単著
『詩経』の中で最も古いと考えられる周頌・清廟之什を取り上げて、清朝考証学や甲骨学の成果をもとに文献学的に考察した。そして、周頌・清廟之什は周の宗廟に於いて、その先祖である后禝・古公亶父・文王・武王・成王・康王を祭祀し、彼等の功業を讃え、子孫の繁栄と周王室の永続を祈願し、後王が彼等の徳を忘れることなく諸侯を統治せよと戒める詩であることを明らかにし、周代には、先祖が子孫達にとって長寿や穀物の豊饒を授ける等の庇護者であるとみなされたために最も重要な祭祀対象となったことを述べた。
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〈詩〉的最初意義與郭店楚簡〈緇衣〉篇(中国語)
藪 敏裕
清華大学学報 ( 2002年第2期 ) 79 - 84 2002年04月 [査読有り]
学術誌 単著
戦国中期の楚墓から発掘された『郭店楚墓竹簡』の茲衣篇九章に引用される『詩』小雅・魚藻之什・都人士篇を、『毛序』の都人士篇の解釈及び『禮記』緇衣篇八章が引用する都人士篇の解釈と比較し、先秦および漢代の詩経学の展開を考察した。そして『郭店楚墓竹簡』の制作意図が「伝統保持」であるのに対して『毛序』『禮記』の制作意図は「身分秩序の確立・維持」という違いがあることを明らかにし、『毛序』『禮記』の解釈が戦国期に知られていなかったことを明らかにした。
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『詩経』に見える祖霊祭祀
藪 敏裕
文科省科研費基盤研究B2「祖霊祭祀の日中比較研究」報告書 9 - 20 2002年03月
その他(含・紀要) 単著
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『郭店楚墓竹簡』から見た『毛序』の成立---- 小雅・都人士篇を中心として ----
藪 敏裕
岩手大学教育学部研究年報 62 ( 2 ) 141 - 148 2002年02月 [査読有り]
学術誌 単著
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漢代経学に於ける詩経学の展開
藪 敏裕
文部省科研費奨励研究(A)「漢代経学に於ける詩経学の展開」報告書 1 - 49 1995年03月
その他(含・紀要) 単著
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詩経解釈史序説 関雎篇の経学的解釈とその評価
藪 敏裕
岩手大学教育学部研究年報 54 ( 1 ) 26 - 34 1994年10月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
『詩経』周南関雎篇に対する『毛傳』『毛序』から『五経正義』・朱子等に至るまでの様々の解釈を比較し、それらの経学的解釈が関雎篇の作者・成立年代・制作目的をどのように規定しているかを検討した。そして、関雎篇の作者・成立年代・制作目的ともそれぞれ諸家の間に著しい相違が見られることを論証し、その相違は諸家がそれぞれの政治的社会的課題を経書によって正統化しようという経学的営為の結果であることを明らかにした。
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『詩経』征役詩解釈から見た『毛傳』の訓詁態度
藪 敏裕
斯文 ( 102 ) 38 - 55 1994年03月 [査読有り]
学術誌 単著
「「王事靡盬」解釈から見た『毛傳』の訓詁態度」が若干数の詩による『毛傳』の成立の検討であったのに対して、『詩経』中の征役詩というまとまった量の詩によって『毛傳』の成立を検討した。方法は、征役詩に対する『毛傳』による解釈と、先秦・秦・漢期の他文献の征役詩に対する解釈とを比較し、前者が特殊であることを明らかにし、それは塞外民族の侵入と内乱に悩まされた漢代宣帝期の歴史的背景によることを確認した。
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旄丘篇解釈から見た『毛傅』の訓話能度
藪 敏裕
岩手大学教育学部研究年報 53 ( 1 ) 10 - 20 1993年10月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
『詩経』の注釈である『毛傳』の成立に関する研究。「「王事靡盬」解釈から見た『毛傳』の訓詁態度」と同じ方法で、旄丘篇に対する『毛傳』の解釈と、先秦・秦・漢期の他文献の旄丘篇に対する解釈とを比較し前者が極めて特殊であることを論証した。そして、それは塞外民族の侵入と内乱に悩まされた漢代宣帝期の歴史的背景によることを明らかにし、前掲論文の結論「『毛傳』の成立はB.C.1世紀の中頃以降である」を確認した。
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資料漢文訓読法テキスト教材の開発
藪 敏裕
岩手大学教育学部附属教育実践研究センター研究紀要 ( 3 ) 266 - 282 1993年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
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「王事靡監」解釈から見た『毛傅』の訓話熊度
藪 敏裕
岩手大学教育学部研究年報 52 ( 3 ) 42 - 52 1993年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
『毛詩』即ち所謂『詩経』の最も古く、かつ基本的な注釈である『毛傳』の成立に関する経学史的研究。『詩経』中の常套句「王事靡盬」に対する『毛傳』による解釈が、先秦・秦・漢期の他文献の解釈と比較して極めて特殊であることを明らかにし、それは塞外民族の侵入と内乱に悩まされた漢代宣帝期の歴史的背景によることを論証し、『毛傳』の成立はB.C.1世紀の中頃以降であることを明らかにした。
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『塩鉄論』研究(1)
藪 敏裕
岩大語文 ( 創刊 ) 26 - 31 1993年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
拙稿「王事靡盬」解釈から見た『毛傳』の訓詁態度」の結論「『毛傳』の成立は紀元前一世紀の中頃以降である」をさらに具体的実証的に検証するために、紀元前一世紀の代表的文献「塩鉄論」を取り上げて、この中に引用される詩の解釈を『毛傳』の解釈と比較しつつ考察した。具体的には『塩鉄論』刺復篇に引用される鹿鳴篇の詩解釈が、『毛傳』とかなり近いものであり『淮南子』『史記』のそれとかなり異なるものであることを明らかにし、『毛傳』の成立が『淮南子』『史記』以降であることを述べた。
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『毛序』研究の近況と課題(下)
藪 敏裕
二松学舎大学人文論叢 ( 48 ) 180 - 189 1992年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
陳允吉「『詩序』作者考辮」(『中華文史論叢』1980年第一期)、王運煕等編「『毛詩序』及三家詩論」(『先秦両漢文学批評史』、上海古籍出版社、1990)など日本・中華民国・中華人民共和国等における近年の『毛序』に関する論文十一篇を取り上げ、それらの内客を略述、かつその問題点等を指摘し、現在『毛序』研究がどこまで到達しているかを述べ、合わせて今後の研究の在り方を検討した。
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『毛序』研究の近況と課題(上)
藪 敏裕
二松学舎大学人文論叢 ( 46 ) 160 - 170 1991年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
林健一「毛詩序並びに毛傳の成立時代」(『漢學會雑誌』七巻一号、1939)、高葆光「毛詩序再検討」(『東海學報』七巻一一期、1965)など日本・中華民国・中華人民共和国等における近年の『毛序』に関する論文十二篇を取り上げて、それらの内客を略述し、その資料の取扱い方および研究方法等の問題点を指摘、現在『毛序』研究がどこまで到達しているかを述べた。
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『毛序』研究の現状について-鈴木説・猪口説批判-
藪 敏裕
二松 ( 40 ) 321 - 340 1990年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
『詩経研究』第13号(1989年3月)中の詩経研究文献提要八において取り上げられた前掲論文3への論評で指摘された問題点について答えたもの。『毛序』の成立に関する鈴木修次氏と猪口篤志氏の説を吟味、鈴木氏の「『毛序』を首序と続序とに載然と区分できる」とする説は根拠薄弱であり成立し難いこと、猪口氏の説は『孟子』理解に多大な誤認があり成立しえないことを明らかにし、かつ『毛序』成立に関する今後の研究の在り方を述べた。
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「馬王堆漢墓出土老子甲本巻後古佚書五行篇」訳注(二)
藪 敏裕
二松學舎大学論集 ( 33 ) 1990年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
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三家詩と『毛詩』-「関雎篇」を中心として-
藪 敏裕
斯文 ( 97 ) 116 - 123 1989年04月 [査読有り]
学術誌 単著
『詩経』周南関雎篇に対する今文系統の斉詩・魯詩・韓詩の解釈と古文系統の『毛序』の解釈を比較して、『毛序』の成立を経学史的立場から考察した。そして、『毛序』の解釈は今文系統の秦・漢期の解釈と著しく異なること、漢代以降流布した『毛序』を孔子が制作したとする説が事実ではないことを論証し、孔子『毛序』制作説は後世の捏造であることを明らかにした。
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「馬王堆漢墓出土老子甲本巻後古佚書五行篇」訳注(一)
藪 敏裕
二松學舎大学論集 ( 32 ) 1989年03月 [査読有り]
その他(含・紀要) 単著
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『毛序』成立考-古文學との比較を中心として-
藪 敏裕
日本中國學曾報 ( 40 ) 32 - 46 1988年10月 [査読有り]
学術誌 単著
『詩経』中の詩の詩意を述べた『毛序』の成立問題について、『毛序』そのものの詩解釈と『春秋左氏博』に引用される詩解釈とを比較しつつ、経学史的立場から考察し、『春秋左氏伝』中には『毛序』と同じ解釈で詩を引用する例がないこと、逆に『毛序』は『春秋左氏伝』等の記事をもとに書かれていること、を論証した。そして、『毛序』の思想内容は劉向『列女伝』等のそれと近く、その成立は前漢中期以降と考えられることを明らかにした