論文 - 中村 安宏
-
林信敬と林述斎の位置-正学派朱子学との関係より-
中村安宏
文芸研究 ( 日本文芸研究会 ) ( 124集 ) 45 - 54 1990年05月 [査読有り]
学術誌 単著
「寛政異学の禁」をめぐって、幕府の教学担当者間に対立があったことを明確にしてその対立の意味を考察し、「異学の禁」について再検討した。当時の大学頭林信敬・林述斎は、禁令を画策した朱子学者に対し、人材の育成や、現実社会に具体的に対応するための広範な学問を求める立場から批判的であり、このような彼らの思想は「異学の禁」体制を空洞化するものであった点を指摘した。
-
史料紹介・佐藤一斎の講釈用『大学』書入
中村安宏
日本思想史研究 ( 東北大学文学部日本思想史研究室 ) ( 21 ) 19 - 32 1989年03月
その他(含・紀要) 単著
一斎の自筆書き入れ本を発掘翻刻し解説を施したもの。この史料は、中国儒学者の言説の引用が多い一斎の経典注釈書のなかにあって、彼の生の声を聞くことができる点で貴重であること、一斎の門下生への講釈の内容を知ることができ、江戸後期から末期にかけての陽明学運動の一端を明らかにすることができる点で貴重であることを指摘した。
-
中村安宏
日本思想史学 ( 日本思想史学会 ) ( 20 ) 71 - 82 1988年09月 [査読有り]
学術誌 単著
これまで明らかにされていなかった一斎の青年期の思想について、新史料を発掘しつつ解明した。その結果、一斎は朱子学から陸王学へと関心を移していったこと、その過程で道徳的主体性を万人へと拡大し、また学派を相対化する立場を確立していったこと、その立場は朱子学という一つの学派によって上から教化しようとする「寛政異学の禁」の思想に対抗するものであったことを示した。