所属 |
岩手大学 農学部 応用生物化学科 |
職名 |
教授 |
研究室住所 |
〒0208550 岩手県 盛岡市上田3-18-8 |
研究室 |
分子生物学研究室 |
研究室FAX |
019-621-6243 |
ホームページ |
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メールアドレス |
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西山 賢一 (NISHIYAMA Ken-ichi)
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学外略歴 【 表示 / 非表示 】
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2007年04月-2009年12月
東京大学分子細胞生物学研究所 准教授
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2004年02月-2007年03月
東京大学分子細胞生物学研究所 助教授
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2002年02月-2004年02月
フライブルク大学生化学・分子生物学研究所 EMBO Long Term Fellow
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1996年04月-2004年02月
東京大学分子細胞生物学研究所 助手
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1993年04月-1996年03月
東京大学分子細胞生物学研究所 日本学術振興会特別研究員
可能な出前講義 【 表示 / 非表示 】
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タンパク質膜輸送の分子機構 [専門家(企業・研究者等)向け]
講義の概要
タンパク質は細胞質で生合成されますが、多くのタンパク質は生体膜を透過して分泌されたり、生体膜の中に組み込まれたりします。こうしたタンパク質膜透過・膜輸送の分子機構は、基本的なレベルではすべての生物で保存されています。大腸菌を用いて明らかとなったこれらの分子機構を詳説します。
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大腸菌と分子生物学 [一般・高校生向け]
講義の概要
多くの華々しい成果を挙げている分子生物学ですが、DNAの遺伝情報がmRNAに転写されタンパク質へと翻訳されるという、分子生物学の基礎的な概念である「セントラルドグマ」の解明は、大腸菌の研究なくしては語れません。ノーベル賞学者ジャック・モノー先生は、「大腸菌にあてはまることは、ゾウにもあてはまる!」とおっしゃいましたが、実際、生命現象の重要なイベントはすべての生物で保存されています。分子生物学の基礎を大腸菌の研究を通して解説します。
担当授業科目 【 表示 / 非表示 】
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2010年度
生命のしくみ
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2010年度
分子細胞生物学特論
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2010年度
分子生物学
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2011年度
化学入門
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2011年度
生命のしくみ
指導学生数 【 表示 / 非表示 】
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2023年度
卒業研究指導(学部):7人
学位論文審査(学部・主査):4人
研究指導(修士・主任指導):8人
研究指導(修士・第1副指導):6人
研究指導(修士・第2副指導):1人
研究指導(博士・主任指導):1人
学位授与者数(修士・主任指導):3人
学位授与者数(博士・主任指導):1人
学位論文審査(修士・主査)/ 教育実践研究報告書審査(主担当):3人
学位論文審査(修士・副査)/ 教育実践研究報告書審査(副担当):4人
学位論文審査(博士・主査):1人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第2副指導(博士):3人
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2022年度
卒業研究指導(学部):8人
学位論文審査(学部・主査):4人
研究指導(修士・主任指導):3人
研究指導(修士・第1副指導):5人
研究指導(修士・第2副指導):1人
研究指導(博士・主任指導):1人
学位授与者数(博士・主任指導):1人
学位論文審査(修士・副査)/ 教育実践研究報告書審査(副担当):1人
学位論文審査(博士・主査):1人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第2副指導(博士):1人
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2021年度
卒業研究指導(学部):9人
学位論文審査(学部・主査):5人
研究指導(博士・主任指導):1人
学位論文審査(修士・副査)/ 教育実践研究報告書審査(副担当):1人
学位論文審査(博士・副査):1人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第1副指導(博士):1人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第2副指導(博士):2人
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2020年度
卒業研究指導(学部):6人
学位論文審査(学部・主査):2人
研究指導(修士・主任指導):2人
研究指導(修士・第1副指導):4人
研究指導(修士・第2副指導):1人
研究指導(博士・主任指導):3人
学位授与者数(修士・主任指導):2人
学位授与者数(博士・主任指導):1人
学位論文審査(修士・主査)/ 教育実践研究報告書審査(主担当):2人
学位論文審査(修士・副査)/ 教育実践研究報告書審査(副担当):1人
学位論文審査(博士・主査):1人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第2副指導(博士):2人
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2019年度
卒業研究指導(学部):5人
学位論文審査(学部・主査):3人
研究指導(修士・主任指導):3人
研究指導(修士・第1副指導):2人
研究指導(修士・第2副指導):1人
研究指導(博士・主任指導):4人
学位授与者数(修士・主任指導):1人
学位授与者数(博士・主任指導):3人
学位論文審査(修士・主査)/ 教育実践研究報告書審査(主担当):1人
学位論文審査(修士・副査)/ 教育実践研究報告書審査(副担当):1人
学位論文審査(博士・主査):2人
【連合農学研究科・連合獣医学研究科】 第2副指導(博士):1人
FD 研修・教育研究会における発表 【 表示 / 非表示 】
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令和3年度学生支援を考える教員FD研修会
教育研究会名 : 学生特別支援室FD 研修
開催年月 : 2022年03月
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教学IR の取り組みからみえてきた農学部の学生の現状
教育研究会名 : 農学部FD 研修
開催年月 : 2018年11月
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研究不正問題を考える-もし、巻き込まれたらどうする
教育研究会名 : 生物の世界FDセミナー
開催年月 : 2014年02月
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タンパク質分泌・膜挿入の分子機構
教育研究会名 : 第18回農学系技術室技術職員研修
開催年月 : 2012年12月
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論文投稿のヒント
教育研究会名 : 若手研究者のためのAuthor Workshop~アクセプトされる論文とは~
開催年月 : 2011年11月
学生向けの課外活動・セミナーの実施 【 表示 / 非表示 】
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2018年度
応用生物化学セミナーの実施
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2017年度
CRCセミナーの企画・実施
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2016年度
CRCセミナーの企画・実施
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2014年度
CRCセミナーの企画・実施
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2013年度
CRCセミナーの企画、実施
その他教育活動の特記すべき事項 【 表示 / 非表示 】
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2023年度
その他
指導学生が「卒業研究優秀発表賞」を受賞
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2022年度
その他
指導学生が「北水会賞賞」を受賞
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2022年度
その他
指導学生が「卒業研究優秀発表賞」を受賞
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2021年度
その他
指導学生が「卒業研究優秀発表賞」を受賞
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2020年度
その他
指導学生が岩手大学奨励賞を受賞
論文 【 表示 / 非表示 】
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CdsA is involved in biosynthesis of glycolipid MPIase essential for membrane protein integration in vivo
Sawasato, K., Sato, R., Nishikawa, H., Iimura, N., Kamemoto, Y., Fujikawa, K., Yamaguchi, T., Kuruma, Y., Tamura, Y., Endo, T., Ueda, T., Shimamoto, K., Nishiyama, K.
Sci. Rep. 9 No1372 2019年02月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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Syntheses and activities of the functional structures of a glycolipid essential for membrane protein integration
Fujikawa, K., Suzuki, S., Nagase, R., Ikeda, S., Mori, S., Nomura, K., Nishiyama, K., Shimamoto, K.
ACS Chem. Biol. 13 2719 - 2727 2018年10月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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Structural basis of Sec-independent membrane protein insertion by YidC
Kumazaki, K., Chiba, S., Takemoto, M., Furukawa, A., Nishiyama, K., Sugano, Y., Mori, T., Dohmae, N., Hirata, K., Nakada-Nakura, Y. Maturana, A.D., Tanaka, Y., Mori, H., Sugita, Y., Arisaka, F., Ito, K., Ishitani, R., Tsukazaki, T. and Nureki, O.
Nature 509 516 - 520 2014年05月 [査読有り]
学術誌 共著・分担
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Glycolipozyme MPIase is essential for topology inversion of SecG during preprotein translocation
Moser M., Nagamori, S., Huber, M., Tokuda, H., Nishiyama, K.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 110 ( 24 ) 9734 - 9739 2013年06月 [査読有り]
国際的学術誌 共著・分担
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MPIase is a glycolipozyme essential for membrane protein integration
Ken-ichi Nishiyama, Masahide Maeda, Kayo Yanagisawa, Ryohei Nagase, Hajime Komura, Takashi Iwashita, Tohru Yamagaki, Shoichi Kusumoto, Hajime Tokuda & Keiko Shimamoto
Nature Communications 3 ( 1260 ) 1 - 10 2012年12月 [査読有り]
学術誌 共著・分担
総説・解説記事 【 表示 / 非表示 】
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タンパク質の膜挿入反応と温度依存性
西山賢一
温度生物学ハンドブック ( 新学術領域「温度生物学」編 ) 1 16 - 16 2017年09月
その他
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タンパク質膜挿入に必須の糖脂質酵素(glycolipozyme)MPIase
西山賢一
天然物ケミカルバイオロジー:分子標的と活性制御 News Letter ( 新学術領域研究「天然物ケミカルバイオロジー:分子標的と活性制御」事務局 ) 2 10 - 10 2013年02月
その他
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膜タンパク質の鍵は糖脂質にあり-すべての生体膜挿入に必須な因子を求めて
西山賢一、島本啓子
月刊化学 ( 化学同人 ) 68 30 - 34 2013年06月
学術誌
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YidC
西山賢一
蛋白質 核酸 酵素 ( 共立出版 ) 53 1101 - 1101 2008年08月
その他
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大腸菌における膜内在性タンパク質の膜挿入機構
西山賢一
生化学 ( 日本生化学会 ) 79 254 - 262 2007年03月
その他
研究発表 【 表示 / 非表示 】
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MPIase (Membrane Protein Integrase), a glycolipozyme involved in protein integration into and preprotein translocation across membranes
口頭(招待・特別) Nishiyama, K., Kusumoto, S., Tokuda, H., and Shimamoto, K.
The 2nd International Symposium on Chemical Biology of Natural Products: Target ID and Regulation of Bioactivity (Pacifico Yokohama)
2013年10月 -
MPIase (Membrane Protein Integrase), a Glycolipozyme Involved in Protein Integration into and Preprotein Translocation across Membranes
ポスター(一般) Ken-ichi Nishiyama, Shoichi Kusumoto, Hajime Tokuda, and Keiko Shimamoto
The 2nd International Symposium on Chemical Biology of Natural Products:Target ID and Regulation of Bioactivity (Pacifico Yokohama)
2013年10月 -
タンパク質膜挿入に必須の糖脂質酵素MPIase がタンパク質膜透過反応に及ぼす役割
口頭(一般) Michael Moser、永森 收志、Maria Huber、徳田 元、西山 賢一
無細胞生命科学研究会 (新潟大学)
2013年10月無細胞生命科学研究会
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糖脂質酵素MPIaseはタンパク質膜透過反応においてSecGの配向性反転に必須である
口頭(一般) Michael Moser、永森 收志、Maria Huber、徳田 元、西山 賢一
日本生化学会大会 (パシフィコ横浜)
2013年09月日本生化学会
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糖脂質酵素MPIaseはタンパク質膜透過反応においてSecGの配向性反転に必須である
ポスター(一般) Michael Moser、永森 收志、Maria Huber、徳田 元、西山 賢一
日本生化学会大会 (パシフィコ横浜)
2013年09月日本生化学会
学術関係受賞 【 表示 / 非表示 】
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日本生化学会奨励賞受賞
1999年10月
受賞者: 西山賢一 「分泌蛋白質の膜透過分子機構に関する研究:膜透過を駆動するSecA-SecGの構造変化」
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日本生化学会Journal of Biochemistry論文賞受賞
2001年10月
受賞者: 永森收志、西山賢一、徳田元 Nagamori, S., Nishiyama, K. and Tokuda, H. "Two SecG molecules exist in a single protein translocation machinery and undergo membrane topology inversion even after crosslinking"
J. Biochem., 128, 129-137 (2000). -
デザイン生命工学研究会 第7回大会 優秀発表賞
2022年03月10日
受賞者: 出牛瑠衣、Pattama Wiriyasermkul、永森收志、西山賢一 -
デザイン生命工学研究会 第7回大会 優秀発表賞
2022年03月10日
受賞者: 韓裕晶、藤川紘樹、大澤月穂、村本真規、島本啓子、西山賢一 -
第93回 日本生化学会大会 優秀発表賞
2020年09月
受賞者: 菅野 琴華,西川 華子,沢里 克宏,山田 美和,西山 賢一
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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大腸菌におけるジアシルグリセロールの生理的意義の解明
基盤研究(C)
支払支給期間:
2009年04月-2013年03月獲得年度・受入金額(円)・間接経費(円)
2009年度・ 1,560,000円・ 360,000円
2010年度・ 1,040,000円・ 240,000円
2011年度・ 1,170,000円・ 270,000円
2012年度・ 910,000円・ 210,000円
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大腸菌エンベロープ形成機構の解明
特定領域研究
支払支給期間:
2010年04月-2012年03月獲得年度・受入金額(円)・間接経費(円)
2010年度・ 5,000,000円・ 0円
2011年度・ 2,000,000円・ 0円
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タンパク質膜挿入に必須の糖脂質MPIaseとその標的タンパク質との相互作用解析
新学術領域・公募研究
支払支給期間:
2012年04月-2014年03月獲得年度・受入金額(円)・間接経費(円)
2012年度・ 3,640,000円・ 840,000円
2013年度・ 3,640,000円・ 840,000円
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タンパク質膜挿入に必須の糖脂質MPIaseとその標的タンパク質との相互作用解析
新学術領域研究
支払支給期間:
2013年04月-2014年03月獲得年度・受入金額(円)・間接経費(円)
2013年度・ 3,640,000円・ 840,000円
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新規糖脂質MPIaseを利用した機能的膜タンパク質の可溶化剤の開発
萌芽研究
支払支給期間:
2013年04月-2015年03月獲得年度・受入金額(円)・間接経費(円)
2014年度・ 2,210,000円・ 510,000円
2015年度・ 1,820,000円・ 420,000円
その他競争的資金獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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微量膜成分のクロストークによる生体膜形成機構の解明
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
1900年-継続中研究内容 :
リン脂質で形成した人工的膜小胞であるリポソームは、生体膜由来の膜小胞に比べて化学物質に対する耐性度や物理的強度が極度に低下している。そのため、生体膜では膜を保護する物質が存在すると考え、申請者らは大腸菌内膜から生体膜保護因子(BPF; biomembrane-protecting factor)を同定した。本研究では、BPFの構造を含む諸性質を明らかにすることを目的とする。
申請者はこれまでタンパク質膜挿入の再構成系を確立し、無秩序な自発的膜挿入はジアシルグリセロール(DAG)やコレステロールによりブロックされること、タンパク質膜挿入は申請者が発見した糖脂質酵素MPIase(Membrane Protein Integrase)により触媒されることを報告した。BPFは分子量1~3 kDaの両親媒性の物質であり、リン脂質量に対して0.5~1%の微量脂質である。MPIase(~7 kDa)やDAGの発現量もリン脂質量の1%前後である。最近、MPIaseは膜内でのDAGの作用を制御して膜挿入を触媒することを示した。これらの作用にBPFがどのようなクロストークを示すのかを明らかにする。 -
TATタンパク質膜透過の分子機構解明に基づく異種タンパク質分泌生産システムの開発
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2016年08月-2017年03月研究内容 :
TAT(Twin-Arginine Translocation)タンパク質膜透過経路(以下「TAT経路」)は、一般的なタンパク質分泌経路とは異なり、高次構造を形成したタンパク質の生体膜透過に特化した経路である。この特質を利用すれば、分泌タンパク質以外のタンパク質でも細胞外に大量に分泌生産させることが可能である。本研究では、TAT膜透過経路の分子機構を解明し、効率がよく汎用的なタンパク質分泌生産システムを開発することを目的とする。
TAT経路で膜透過するタンパク質は、「RRモチーフ」をもつ専用のシグナル配列が付加した前駆体として合成され、TatABCからなるTAT膜透過装置を介して膜透過する。TAT経路は植物やバクテリアに広く保存されており、1990年代後半以降多くの研究の蓄積があり、膜透過に関わる遺伝子の同定も進んでいる。しかし、未だに精製TatABC等を用いたTAT経路の膜透過の再構成に成功したという報告がない。応用的にも、異種タンパク質にTATシグナルを人工的に付加して大量分泌生産に成功した例はあるが、汎用的に分泌生産が可能な状況ではない。西山らはタンパク質膜透過・膜挿入に関与する「糖脂質酵素」MPIaseを発見し、構造・機能解析を進めてきた。その結果、MPIaseは単独(Nat Commun 2012)で、あるいはSecYEG(PNAS 2013)やYidC(Nature 2014)と相互作用して機能することが明らかとなった。これらの結果は、MPIaseは特異的な因子とのみ相互作用するのではなく、タンパク質膜透過・膜挿入全般に関与することを示唆している。これまでTAT経路の再構成に成功せず、汎用的にタンパク質分泌生産が困難である大きな理由はMPIaseが不足しているためであると考えられる。本研究では、まずTatABCとMPIaseを組み合わせてTAT経路の完全再構成を目指す。その再構成系を用いてTAT経路の膜透過機構を明らかにし、その知見を効率のよいタンパク質分泌生産システムの構築に利用する。
西山らは精製TatABCやMPIase標品を用いてTAT経路の再構成系を確立する。山田らはMPIaseを過剰生産し、TatABCの改良を行うことにより効率のよいタンパク質分泌生産システムを構築する。山田らが最近同定したアルコール酸化酵素は、2個の因子からなるサブユニ -
タンパク質膜挿入に関わる糖脂質酵素MPIaseの作用原理の解明とその応用
財団等からの助成金
資金支給期間 :
2015年06月-継続中研究内容 :
タンパク質膜挿入に関わる糖脂質酵素MPIaseの作用原理の解明とその応用
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タンパク質膜挿入に必須の糖脂質酵素MPIaseの作用原理解明とその応用
長瀬科学技術振興財団研究助成金
資金支給期間 :
2013年04月-2014年03月研究内容 :
膜タンパク質は疎水的な膜貫通領域をもつため、その生合成に共役して膜挿入する。膜挿入反応に関与する因子がいくつか知られているが、申請者が発見したMPIase (membrane protein integrase) は大腸菌におけるタンパク質膜挿入に必須の糖脂質である(Biochem Biophys Res Commun, 2010; Nat Commun, 2012)。MPIaseは膜挿入反応を触媒するという点で酵素様の働きをするため、MPIaseは糖脂質酵素(Glycolipoyme)であるという概念を提唱した(Nat Commun, 2012)。MPIaseの構造機能解析を予備的に進めたところ、MPIaseは膜上でまず膜タンパク質と水溶性の複合体を形成し、その後膜挿入反応が進行することが判明した。本研究では、MPIaseが膜挿入反応を触媒する分子機構をさらに詳細に明らかにすることを目的とする。また、MPIaseが汎用的な膜タンパク質可溶化剤として応用できるかどうか検討する。
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タンパク質膜挿入反応に必須の糖脂質酵素MPIase(Membrane Protein Integrase)の構造機能解析とその応用
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2012年06月-2014年03月研究内容 :
生体膜を貫通する膜内在性タンパク質(膜タンパク質)は、その強い疎水性のため、タンパク質生合成に共役して膜に挿入する。タンパク質膜挿入機構は、生物種、オルガネラ種において多少の多様性が認められるものの、その基本的な部分ではすべての生物において共通である。申請者らは、タンパク質膜挿入反応を、精製された因子のみから試験管内で再構成することに世界に先駆けて成功した。その結果、タンパク質膜挿入反応には、既知のタンパク質性の因子だけでなく、新規複合糖脂質酵素MPIase(Membrane Protein Integrase、図1)が必須であることを発見した。MPIaseはモデル生物大腸菌を用いて発見された因子であるが、すでにHela細胞ミトコンドリア画分にもMPIaseと同様の活性が検出できることを明らかにしており、高等動植物においてもMPIaseホモログが存在する可能性は極めて高い。
MPIaseに関する研究は、「糖脂質酵素(Glycolipozyme)」という新たな概念を提唱した点で分子細胞生物学的に大きな意義をもっているだけでなく、機能未知の膜タンパク質の精製・機能解析といった新薬開発の基本的ツールの開発や、低温耐性作物の開発など、多くの応用的可能性を含有している。本研究では、まず大腸菌においてMPIaseの構造機能解析を完成させ、その知見を基に動植物MPIaseホモログの同定や変異体作製などを進める。これらを踏まえて「岩手大学ブランド」としてMPIaseの応用の可能性を探る。
所属学協会 【 表示 / 非表示 】
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2019年01月-継続中
細胞形成研究会
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2016年03月-継続中
デザイン生命工学研究会
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2008年05月-継続中
21世紀大腸菌研究会
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2006年10月-継続中
無細胞生命科学研究会
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2005年01月-継続中
財団法人応用微生物学研究奨励会
学会・委員会等活動 【 表示 / 非表示 】
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2006年10月-継続中
無細胞生命科学研究会 幹事
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2008年01月-2011年12月
日本生化学会 JB Associate Editor
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2012年01月-継続中
日本生化学会 JB Advisory Board
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2010年04月-継続中
日本生化学会 評議員
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2010年04月-継続中
日本農芸化学会 東北支部参与
学会活動 1(学会・シンポジウムの主催) 【 表示 / 非表示 】
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第4回細胞形成研究会 (2024年02月)
参加者数 : 30人
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第3回細胞形成研究会 (2022年09月)
参加者数 : 30人
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第7回デザイン生命工学研究会 (2022年03月)
参加者数 : 100人
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第2回細胞形成研究会 (2020年02月)
参加者数 : 30人
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第1回細胞形成研究会 (2019年03月)
参加者数 : 30人
学会活動 2(国際会議などの座長) 【 表示 / 非表示 】
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Ken-ichi Nishiyama [Bacterial Protein Export 2018 (The Leuven Ibstitute for Ireland, Leuven, Belgium) (2018年10月)]
学会活動 3(学会誌の編集・査読) 【 表示 / 非表示 】
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RNA Biology [査読 (2024年01月)]
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry [査読 (2023年11月)]
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Nature Communications [査読 (2023年05月)]
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry [査読 (2023年05月)]
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J. Biochem. [査読 (2016年12月)]
研究員(受入れ) 【 表示 / 非表示 】
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岩手大学大学院連合農学研究科研究員
2人
(2020年04月-2021年03月)
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日本学術振興会特別研究員(DC1) (
1人2018年04月-2021年03月)
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大腸菌におけるタンパク質膜挿入・膜透過の分子機構解明 (
2人2010年05月-2014年03月)
マスメディアによる報道 【 表示 / 非表示 】
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2019年度
Sawasato et al, Sci Rep, 2019の論文が論文紹介サイトF1000(https://f1000.com/)で優秀論文として紹介された。
報道区分: 海外報道
メディア区分: インターネット
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2015年度
「学生新聞」にて、21世紀大腸菌研究会における優秀口頭発表賞受賞に関する記事が掲載された。
(大学新聞、「大腸菌研究で学生が新発見 岩手大学」平成27年7月10日)報道区分: 国内報道(全国報道を除く)
メディア区分: 新聞
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2014年度
科学新聞(2015年3月20日号)に農芸化学会シンポジウム紹介記事が掲載された。本シンポジウムにて招待講演を行った。
報道区分: 全国報道
メディア区分: 新聞
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2012年度
Nature Japan 注目の論文
MPIアーゼはタンパク質膜挿入に必須の糖脂質酵素(グリコリ
ポザイム)である
http://www.natureasia.com/ja-jp/ncomms/abstracts/41624報道区分: 全国報道
メディア区分: インターネット
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2012年度
文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「タンパク質の社会~機能発現と秩序維持~」元班員による研究成果
「MPIaseはタンパク質膜挿入に必須の糖脂質酵素(glycolipoyme)である」
http://www.protein.bio.titech.ac.jp/result/result_nishiyama.html報道区分: 全国報道
メディア区分: インターネット
生涯学習支援実績 【 表示 / 非表示 】
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大館鳳鳴高校出前講義
種類 : 出前講義(高校・一般向け)
担当部門(講演題目) : 「大腸菌と分子生物学」
2024年01月 -
放送大学面接講義
種類 : 講演会
担当部門(講演題目) : 細胞の構造と形成のしくみ
2022年11月 -
農学部5学科の実験講座
種類 : 講習会
担当部門(講演題目) : PCRでDNAを増やしてみよう
2022年07月 -
放送大学面接講義
種類 : 講演会
担当部門(講演題目) : タンパク質の細胞内輸送
2018年11月 -
花巻北高校出前講義
種類 : 出前講義(高校・一般向け)
担当部門(講演題目) : 「大腸菌と分子生物学」
2018年06月
国際交流活動 【 表示 / 非表示 】
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2013年度
外国人受入れ(私費留学生を除く)
交流機関・事業等名 :博士研究員
交流内容・受入れ目的・事業の担当内容 :博士研究員
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2012年度
外国人受入れ(私費留学生を除く)
交流機関・事業等名 :博士研究員
交流内容・受入れ目的・事業の担当内容 :博士研究員
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2011年度
外国人受入れ(私費留学生を除く)
交流機関・事業等名 :博士研究員
交流内容・受入れ目的・事業の担当内容 :博士研究員
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2010年度
外国人受入れ(私費留学生を除く)
交流機関・事業等名 :
交流内容・受入れ目的・事業の担当内容 :博士研究員
大学運営活動履歴 【 表示 / 非表示 】
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2010年度
放射線安全委員会
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2010年度
附属寒冷バイオフロンティア研究センター運営委員会
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2011年度
放射線安全委員会
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2011年度
附属寒冷バイオフロンティア研究センター運営委員会
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2011年度
大学教育総合センター全学共通教育企画・実施部門会議