その他競争的資金獲得実績 - 下野 裕之
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わが国の稲作のイノベーションを実現する初冬直播き栽培法の確立
農林水産省・イノベーション創出強化研究推進事業 開発研究ステージ
資金支給期間 :
2021年04月-2024年03月研究内容 :
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作業分散・規模拡大のための超省力初冬播き水稲栽培法の確立
農林水産省・イノベーション創出強化研究推進事業 応用ステージ
資金支給期間 :
2018年04月-2012年03月研究内容 :
わが国では農業の担い手の高齢化が進行する中,常識に捉われない低コスト・大規模化のための革新的技術が望まれる.申請研究では,亜熱帯原産であるイネを,寒冷・積雪地で降雪前に播種する「初冬直播栽培」技術を確立する.
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水稲の「履歴効果」による冷害軽減メカニズム解明を通じた低温ストレス研究基盤形成
岩手大学・研究拠点形成・重点研究支援経費
資金支給期間 :
2013年04月-2016年03月研究内容 :
地球温暖化が進行していても,岩手県を含む寒冷地のコメ生産は,穂ばらみ期の低温を原因とした冷害が大きな制限となっている.本研究では,栄養成長期の温度環境を利用した耐冷性の強化作用,以下,履歴効果,に関わる分子メカニズムの解明を目的とする.履歴効果は,イネの生育相の中で穂が分化する前の栄養成長期に高水温や低大気CO2濃度等の条件に曝されたことを植物が記憶し,その結果,穂が分化した後の耐冷性を強化する作用である.これまでの,生理的に,冷害発生時の穂での活性酸素除去系を強化することを明らかにしたが,穂ばらみ期までの1ヶ月以上の間,植物がどのように植物が記憶を保持しているのか不明である.エピジェネティックの視点から冷害防御の全体像の解明を分子レベルで試みる.
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東北地域のヤマセと冬季モンスーンの先端的ダウンスケール研究
気候変動適応研究推進プログラム(文部科学省)
資金支給期間 :
2012年02月-2015年03月研究内容 :
ヤマセがイネ耐冷性に及ぼす影響の定量化
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気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のための技術開発:温暖化時の水稲冷害発生リスク評価
農林水産省委託プロジェクト研究(農林水産省)
資金支給期間 :
2010年04月-2015年03月研究内容 :
地球温暖化が進行している現在において,寒冷地での水稲生産の安定化には春の昇温による作期拡大は極めて重要である.熟期の遅い品種を早植えしたところ,生育初期の葉面展開不良により,生育日数が延長されたにもかかわらず,収量を増加させないことを明らかとした.
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地球温暖化による夏季の気温変動に対応した水稲冷害リスクの評価
農業環境技術研究所プロジェクト研究「地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響の評価と高度対策技術の開発」
資金支給期間 :
2008年07月-2010年03月研究内容 :
長期的なトレンドでは北日本でも年平均気温が上昇傾向にあるが,各季節一様に上昇するのではなく,夏季気温は上昇していない.また,近年(1980年代以降)は夏季天候の変動が大きく,暑夏と冷夏が交互にかつ周期的に発生している.さらに,温暖化の進行により梅雨明けが遅くなるとされ,7月中下旬に冷温感受性を持つ北日本の水稲にとり,今後もますます冷害が問題となる.
そこで,このような温暖化による気温変動下での水稲の冷害リスクを評価するためには,気象および水稲の両面から評価を行う必要がある.気象面では,気候シナリオからやませの発生パターンおよび時期を解明する.水稲については,冷温感受性時期の的確な予測のための発育予測モデルとともに,温暖化による水稲の冷温感受性への影響評価を行う必要がある.これらの気象と水稲に関する知見を統合し,寒冷地における気候温暖化による夏季の気温変動に対応した水稲の冷害リスクを評価することを研究の目的とする. -
履歴水温管理による水稲の冷害軽減技術の開発
農林水産省新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
資金支給期間 :
2009年06月-2012年03月研究内容 :
地球温暖化が進行していても北日本の水稲栽培は依然として夏季の異常低温を原因とした冷害により制限され続けている。既存の研究は異常低温が襲来した際に対応する“守り”の技術に重きをおくが,本研究では履歴すなわち異常低温への感受性がある生育時期より以前の水温を制御する“攻め”の対応を行うことで頑強な植物体を育成し,地球温暖化に伴う気候変動下で冷害被害を最小限に抑える新たな技術シナリオを提案する。
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盛岡高等農林・関教授記念シンポジウム「地球温暖化はサムサノナツをなくすのか?」
学長裁量経費
資金支給期間 :
2007年04月-2008年03月研究内容 :
関豊太郎教授は、岩手大学の前身である盛岡高等農林学校で教鞭をとり、宮沢賢治の指導教官でもある。2007年は関教授が「学事凶作原因報告」を発表してから、ちょうど100周年にあたる。それを記念し企画した本シンポジウムでは、地球温暖化といわれつつ岩手県をはじめ寒冷地で現在でも問題になっているイネの冷害問題に焦点をあて不確実性を含む将来の気象条件下で安定的に稲作栽培を行うための方策を探った。オーストラリアから参加した2名を含む8名の講演者からの話題提供を受け、冷害問題を同様に抱えている地域(北海道から福島県まで)から約80名の参加者が集い活発な議論を行った。その議論を通じ参加者一同、地球温暖化が進む中における冷害問題の重要性また研究の方向性を再認識することができた。同時に冷害問題解決を使命に開学された本学の精神またその歴史の深さを国内外にアピールすることができた極めて有益なシンポジウムとなった。