その他競争的資金獲得実績 - 内藤 智之
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円筒型MgB2超伝導バルク磁石を用いた無冷媒・低コスト・省スペースなベンチトップ型核磁気共鳴装置の開発
令和2年度追加公募 A-STEPトライアウトタイプ
資金支給期間 :
2021年05月-2022年03月研究内容 :
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浸透法によるリング型MgB2バルク磁石開発
部局経費
資金支給期間 :
2016年12月-2017年03月研究内容 :
超伝導の四大特徴の一つである磁束のピン止め効果を利用すると超伝導体は超強力磁場を発生する疑似永久磁石になる。超伝導バルク磁石はコンパクトかつ開放空間でテスラ級磁場を利用可能にするメリットがある。例えば、10テスラ超伝導コイル磁石の真空容器外径が1mを超えるのに対して、超伝導バルク磁石は10センチ程度である。
このコンパクトさに着目して、理研、イムラ材料研究所、岩手大による超伝導バルク磁石を用いた卓上型NMR装置の開発を実施している。そこでは超伝導転移温度Tcが90K級のRE-Ba-Cu-O系超伝導バルク(RE は希土類元素)である。この系は高い転移温度と相まって磁場中で高い臨界電流密度(ゼロ抵抗で流せる電流密度の上限値)を有することから比較的容易に10テスラ級の磁場を捕捉可能である。超伝導コイル磁石を用いた一般的な商用NMR装置の発生磁場は9.4テスラ(共鳴周波数400MHz)である。この磁場値は、様々な課題を克服する必要はあるがRE-Ba-Cu-O系超伝導バルク磁石で代替可能である。
一方、申請者はこれまで主流であったRE-Ba-Cu-O系超伝導バルク磁石に替えて金属系超伝導体MgB2(超伝導転移温度Tc=39K)を用いた超伝導バルク磁石の開発を進めてきた。軽量性やレアアースフリーなどの特徴を有するMgB2には各国の多くの研究者が注目しており、ここ数年でMgB2バルク磁石の研究開発が急速に進展してきている。現状として以下のことが言える。
捕捉磁場競争(材料開発) の真っ只中にあるが、更なる高捕捉磁場化のためには材料開発指針を与えるナノサイズレベルでの磁束ピン止め機構を明らかにする必要がある。
5 テスラ級磁場が視野に入ってきたことから具体的な応用用途を考え始める段階にある。
そこで、本申請ではMgB2バルク磁石を用いた卓上型NMR装置開発を念頭に、浸透法によるリング形状の大型MgB2バルク磁石の開発を目的とする。MgB2の捕捉磁場はRE-Ba-Cu-O系の半分以下に留まっているが、5テスラの磁場は共鳴周波数200MHzに相当し、このレベルの解像度でも市場のニーズは十分ある。また、MgB2バルクとRE-Ba-Cu-O系のもっとも大きな違いは作りやすさにある。RE-Ba-Cu-O系が単結晶化を必要とするのに対して、MgB2は多結晶体でテスラ級磁場を実現す -
20テスラ超RE-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石の実現
部局経費
資金支給期間 :
2016年12月-2017年03月研究内容 :
90K級の超伝導転移温度を示すRE-Ba-Cu-O系超伝導体(RE:希土類元素)は磁場中において高い臨界電流密度(超伝導状態で流せる上限)を有することからテスラ級の捕捉磁場が得られている。しかし、以下のような問題点がある。図1(別紙)のように捕捉磁場を維持するために超伝導バルク内には周回電流が流れるが、このとき両者の外積で決まる電磁力(ローレンツ力)が径方向外向きに働く。この材料はセラミックスであるため機械的強度が低く、このローレンツ力に耐え切れずにバルク自体の破断がしばしば生じる。金属リング補強によってこの問題はある程度克服されており、10テスラ級捕捉磁場は比較的容易に実現されている。そして、更なる機械的強度の増加(金属リング焼嵌め、樹脂含浸補強等)によって17テスラ程度の捕捉磁場が得られている(現世界記録は17.6テスラでNd-Fe-B永久磁石0.5テスラの35倍程度)。ただし、臨界電流密度から推定される捕捉磁場は20テスラを優に超えると考えられており、自身の機械的強度に制限されて本来有する「超伝導」のポテンシャルを生かし切れていないと言える。本研究では、数値シミュレーションによる補強材およびその形状を最適化することによってGd-Ba-Cu-O系超伝導バルクで世界記録となる20テスラ超捕捉磁場を実現することを目的とする。
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Effects of Ti-doping on magnet properties of MgB2 bulk superconductors
財団等からの助成金
資金支給期間 :
2015年09月研究内容 :
MgB2超伝導バルク材を用いた疑似永久磁石の研究について発表する。今回、Tiをドープした高緻密なMgB2バルクを作製することで、これまでの捕捉磁場2.5テスラの約2倍となる4.6テスラの磁場を有する疑似永久磁石の開発に成功した。また、微細組織観察からTiB2相が出来ていることを新たに見出した。このTiB2相が磁場誘起型磁束ピン止め中心として働き今回の大幅な磁石性能向上をもたらしたと結論した。磁場値4.6テスラは200MHz-NMR用磁石として利用可能な値であり、発表ではNMRで重要となる磁場分布(均一度)の測定結果も併せて議論する予定である。
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学生による高温超伝導バルク材の強力磁場を用いた演示実験装置の考案と製作
部局経費
資金支給期間 :
2015年07月-2016年03月研究内容 :
オープンキャンパス等で「面白い」演示実験を通して若い世代の科学への興味を引き出すことは大学に課せられた責務である。本課題では、リニアモーターカー等の報道を通して良く知られている超伝導現象の面白さを一般の人に分かりやすく伝えるためにはどうすれば良いか?ということを研究室に所属する学生たちが考え、それを実現するための演示実験装置を考案して自作することを目的とする。
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金属超伝導体MgB2を用いた5テスラ級超伝導バルク磁石の開発
部局経費
資金支給期間 :
2014年07月-2015年03月研究内容 :
申請者は超伝導体に量子化磁束(磁場)を捕捉させた「超伝導バルク磁石」を開発している。元素戦略の観点から希土類元素を含まない金属超伝導体MgB2(超伝導転移温度Tc=39K)に着目している。最近、MgB2バルクを用いてテスラ級の強磁場捕捉に成功し、各種応用技術への展開が見えてきた。本申請では具体的な応用(科研費申請書で不足していた部分)として卓上型核磁気共鳴(NMR)装置へのMgB2超伝導バルク磁石の適用を目指して4.7テスラ(NMR周波数200MHzに相当)の強磁場捕捉を目的とする。
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金属超伝導体MgB2を用いた超伝導バルク磁石の超強力化
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2013年07月-2014年03月研究内容 :
超伝導体に量子化磁束を捕捉させるとテスラ級の疑似永久磁石(超伝導バルク磁石)に出来る。申請者は主に元素戦略の観点から研究の主流であったRE-Ba-Cu-O系超伝導体(RE:レアアース)の代替を目指し、2009年頃から世界に先駆けて金属超伝導体MgB2(超伝導転移温度Tc=39K)を用いた超伝導バルク磁石開発を開始した。これまで新しい手法による大型MgB2バルクの作製とそのテスラ級磁石化に成功するなどの成果を上げてきた。本申請課題では産業応用の要請レベルに応えるべくMgB2超伝導バルク磁石の超強力化をバルクの緻密化によって実現することを目的とする。
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Metal-insulator and spin-state transition in polycrystalline (Pr1-yREy)1-xCaxCoO3 (RE=rare earth elements) in magnetic fields
部局経費
資金支給期間 :
2013年07月-2014年03月研究内容 :
米国IEEE(米国電気電子学会)の磁性分科会が開催するThe 58th Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials(第58回磁性および磁性材料に関する定例会議)に出席して最新の研究成果を広く世界に発表し、さらに国内外の研究者との活発な議論を通して関連する分野における新たな研究シーズを発掘することを目的とする。
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金属超伝導体MgB2を用いた超伝導バルク磁石の緻密化による超強力化
部局経費
資金支給期間 :
2013年07月-2014年03月研究内容 :
超伝導体に量子化磁束を捕捉させるとテスラ級の疑似永久磁石(超伝導バルク磁石)に出来る。申請者は主に元素戦略の観点から研究の主流であった銅酸化物超伝導体RE-Ba-Cu-O系(RE:レアアース)の代替を目指し、2009年頃から世界に先駆けて金属超伝導体MgB2(超伝導転移温度Tc=39K)を用いた超伝導バルク磁石開発を開始した。これまで新しく考案した密閉カプセル法による大型MgB2バルクの作製とそのテスラ級磁石化に成功するなどの成果を上げてきた。本申請課題では産業応用の要請レベルに応えるべくMgB2超伝導バルク磁石の超強力化を実現することを目的とする。MgB2超伝導バルク磁石の超強力化のためには捕捉磁場値を決定する臨界電流密度Jc(超伝導体内を流れる永久電流密度)の飛躍的な増大が必要である。本申請課題ではバルクの緻密化によって電流経路を実効的に増大させることでJcの増大を目指す。MgB2は液体水素温度20Kでの使用が想定されていることから、研究期間内に20Kにおいてバルク表面中心で3テスラの磁場を捕捉することを目標とする。
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次世代自動車照明用の高輝度・高出力LED反射材に向けた高耐久性Sn/Ag3Snナノ複層めっきの開発
部局経費
資金支給期間 :
2013年07月-2014年03月研究内容 :
次世代自動車照明用の高輝度・高出力LED反射材に向けた高耐久性Sn/Ag3Snナノ複層めっきの開発
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高充填率MgB2バルク超伝導体の作製と6テスラ級捕捉磁場の実現
財団等からの助成金
資金支給期間 :
2013年04月-2014年03月研究内容 :
超伝導の四大特徴の一つである磁束のピン止め効果を利用すると超伝導体はテスラ級の疑似永久磁石になる。超伝導バルク磁石はコンパクトで開放空間でテスラ級磁場を利用可能にする。申請者の属するグループではRE-Ba-Cu-O系(RE:希土類元素)高温超伝導バルク磁石を用いた磁気分離装置のプロトタイプを開発し汚水処理試験を行ってきているが、磁気分離効率を更に向上させるためには超伝導バルク磁石の大型化が必要である。本研究では大型化への制約が多いRE-Ba-Cu-O系バルク材に替えて金属系超伝導体MgB2バルク材を用いた強力バルク磁石開発を実施する。MgB2の問題点は通常焼結では充填率が低い(約50%)ことである。本研究では圧力下焼結が可能なスパークプラズマ焼結法と熱間等方加圧下焼結法を用いて最大直径40mmのMgB2バルクの緻密化を行い、RE-Ba-Cu-O系に匹敵する6テスラ級MgB2バルク磁石を実現することを目的とする。
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永久磁石を利用した新規熱電変換素子の開発
復興促進プログラム(A-STEP)探索タイプ
資金支給期間 :
2012年10月-2013年09月研究内容 :
熱電変換材料は熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換出来る。実際に熱電変換素子を作製するには性能が同程度でキャリアが異なる(電子とホール)材料を組み合わせる必要があった。そこで、本課題では単一材料で構成される単独型熱電変換素子の実現と磁場による熱電変換性能の向上を目標とした。単独素子作製に必要な異方的材料を作製・評価したところ、コバルト酸化物の熱電性能が異方性によって制御できることを見出した。また、磁場効果はあまり大きくなかった。今後に繋がる新しい知見は得られたが単独素子を実現するには至らなかったことから本課題の達成度はあまり高くないと言える。今後は、既存材料の性能向上と併せて新規材料の探索を実施する。
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高緻密なMgB2バルクの作製とパルス着磁法によるテスラ級バルク磁石開発
研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムフィージビリティスタディ【FS】ステージ 探索タイプ
資金支給期間 :
2012年10月-2013年09月研究内容 :
超伝導バルク磁石を実用に供するには大型化と捕捉磁場の向上が必要であるが、現在主流のRE-Ba-Cu-O系バルクの材料では脆弱かつ結晶組織面で大型化は困難であり、MgB2バルクの材料に切り替えが必要である。研究責任者は密閉カプセル法で作製した直径30ミリの金属系超伝導体MgB2バルクに磁場中冷却着磁法を適用して1.5テスラの磁場を捕捉させることに成功した。しかし、大気圧下焼結では原理的に低いMgB2バルクの充填率(約50%)が磁場捕捉のボトルネックとなっている。そこで、本申請課題では熱間等方加圧法(最大980MPaの圧力下)で高充填率のMgB2バルクを作製し捕捉磁場値の倍増を目指す。
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2012 MRS Fall Meeting & Exhibitでの研究発表
平成24年度小笠原科学技術振興財団国際研究集会出張助成金
資金支給期間 :
2012年08月-2013年03月研究内容 :
2012 MRS Fall Meeting & Exhibitでの研究発表
本会議は半年ごとに米国材料学会が開催している材料全般に関する会議であるが、今回はエネルギー技術に関する材料がメイントピックスの一つとなっている。申請者は熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる熱電変換材料の基礎研究を行っており、今回は熱電変換材料について得られた最新の成果について発表する。良い熱電変換材料の条件として電気を良く通し、熱をあまり通さないことが挙げられる。従って、熱伝導性と電気伝導性を独立に制御できることが重要である。本研究で対象とするRuddlesden-Popper型REn+1ConO3n+1 (REは希土類元素)はRECoO3電気伝導層とREO絶縁層が積層した異方的結晶構造を有するため各層数の調整によって先の条件を実現可能である。今回、nを増加、すなわちRECoO3電気伝導層数を増加させると熱伝導性が低下し電気伝導性が増加することによって熱電変換性能が向上することを見出した。この結果は異方的材料を用いた熱電変換材料開発に新しい指針を与えると期待されることから是非ともこの会議で広く世界に発表したい。さらに国内外の研究者との活発な議論を通して関連する分野における新たな研究シーズや製品化に向けた出口戦略へのアイディアを発掘したい。 -
超電導バルク磁石を用いた放射能汚染土壌や水の除染用吸着剤の開発
研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムフィージビリティスタディ【FS】ステージ 探索タイプ
資金支給期間 :
2011年12月-2012年07月研究内容 :
福島第1原子力発電所事故に伴い、広範囲に放出された低レベルの放射性物質の除去対策が早急に望まれる。本研究では第1に、代表研究者が開発した2テスラ級の5連型マルチ超電導バルク磁石を磁気分離による除染に適用するため、捕捉磁場性能をさらに増大させる。第2に、磁気分離により放射能汚染土壌や汚染水の除染に活用する磁性を有するマグネタイトと吸着材料との混合割合、粒径、比重等を最適化した顆粒状の放射性物質吸着材の開発を行う。本吸着材の開発は回収汚泥等の減容性に優れ、水と土壌の複合的汚染にも対応でき、経済的で管理が容易であるなど広域的な汚染に対応可能であり、放射性CsやSrの除去に関する実用化を目指す。
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大型MgB2バルク超伝導体の作製技術開発と強力磁石開発への展開
研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムフィージビリティスタディ【FS】ステージ 探索タイプ
資金支給期間 :
2011年12月-2012年07月研究内容 :
磁束ピン止め効果を利用すると超伝導体はテスラ級の疑似永久磁石となる。これまでRE-Ba-Cu-O(REは希土類元素)系超伝導バルク材を
用いた磁石開発が行われてきており、ネオジム永久磁石の一桁以上強力な超伝導バルク磁石(最高17テスラ)が実現されている。しかし
、セラミックス故の低熱伝導性や低機械的強度という弱点が更なる強力磁石開発の妨げとなっている。本課題ではこれら弱点を克服す
るために金属系超伝導体であるMgB2に着目した。新しい安価で簡便なMgB2バルク作製技術の確立し、テスラ級MgB2バルク磁石開発への
展開を目指す。 -
Prイオンの価数変化が誘起するコバルト酸化物の金属・絶縁体-スピン状態同時転移
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2011年07月-2012年03月研究内容 :
RECoO3(REは希土類元素)組成を有するコバルト酸化物においてはCoイオンのスピン状態
に応じた興味深い現象が現れる。その中でもPr1-xCaxCoO3において3価のCoイオンが温度低下
にともなって中間(もしくは高)スピン状態から低スピン状態へ転移し、それと同時に金属
・絶縁体転移 (以下、MI-SS転移) が起こることが知られている。このようにスピン状態転
移がクロスオーバーではなく相転移として起こるのは、REがPrであり、かつその一部をCa
で置換した場合のみ出現するが、その原因は未解明の状態である。最近、Pr0.5Ca0.5CoO3の電
子状態の理論計算においてPrイオンの価数変化(3価→4価)が生じることによってCoイオン
の価数変化(4価→3価)ひいてはMI-SS転移が誘起されている可能性が指摘された。本研究で
は、X線吸収スペクトル実験からPrイオンの価数の温度変化を直接観察し、MI-SS転移にお
けるPrイオンの役割を明らかにすることを目的とする。 -
A proposal of new fabricating technique of large MgB2 bulk by a capsule method
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2011年07月-2012年03月研究内容 :
22nd Magnet Technology ConferenceにおいてA proposal of new fabricating technique of large MgB2 bulk by a capsule methodを発表する
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Anisotropic thermal conductivity of RE2CuO4 (RE=Pr, Nd, and Sm) single crystals grown by TSFZ method
部局経費
資金支給期間 :
2010年04月研究内容 :
13th International Conference on Phonon Scattering in Condensed Matter (PHONONS) に出席し、RE2CuO4 (RE214; REは希土類元素)単結晶の異方的熱伝導について発表する。Sm2CuO4およびEu2CuO4大型単結晶育成に世界で初めて成功した。大型単結晶を用いることでRE214系の異方的熱伝導の測定が可能になり、その結果RE214系の熱伝導がフォノンとマグノン(磁気励起を量子化したもの)の寄与で統一的に説明できることが明らかとなった。
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MgB2超伝導バルク体を用いた超強力磁石開発
平成21年度シーズ発掘試験(発掘型)
資金支給期間 :
2009年07月-2010年03月研究内容 :