その他競争的資金獲得実績 - 會澤 純雄
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シランカップリング剤修飾層状複水酸化物を含有した天然ゴム複合体の合成とその特性
一般財団法人荒井芳男記念財団2023年度助成金
資金支給期間 :
2023年03月-2024年03月研究内容 :
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水熱反応による水酸化マグネシウムからの層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2021年04月-2022年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は2価-3価の金属水酸化物からなる基本層と陰イオンと水分子からなる中間層が積層した構造をしている.LDHは高分子材料の機能性を向上するためのフィラーとして利用されており,その結晶性は高分子材料の機能性に大きな影響を与える.一般的な合成法である共沈法で合成したLDHは凝集にともなう結晶性の低下,すなわち高分子材料への分散性も低下する.一方,固体の水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)にAl3+存在下,水熱反応することによりMg2+の一部がAl3+にて置換され,Mg(OH)2の結晶性と粒径を保持したままLDHへ相転移することが明らかになっている.本研究では,Mg(OH)2を用いた水熱反応を用いたMg-Al系LDHの合成を試み,LDHの結晶性ならびに粒径におよぼす反応条件の影響を検討する.また,3価金属にEu3+をAl3+の一部に加えたMg-Al-Eu系LDHの合成も検討する.
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水熱反応による水酸化マグネシウムからの層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2020年04月-2021年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は2価-3価の金属水酸化物からなる基本層と陰イオンと水分子からなる中間層が積層した構造をしている.LDHは高分子材料の機能性を向上するためのフィラーとして利用されており,その結晶性は高分子材料の機能性に大きな影響を与える.一般的な合成法である共沈法で合成したLDHは凝集にともなう結晶性の低下,すなわち高分子材料への分散性も低下する.一方,固体の水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)にAl3+存在下,水熱反応することによりMg2+の一部がAl3+にて置換され,Mg(OH)2の結晶性と粒径を保持したままLDHへ相転移することが明らかになっている.そこで本研究では,Mg(OH)2を用いた水熱反応を用いたLDHの合成を試み,LDHの結晶性ならびに粒径におよぼす反応条件の影響を検討する.
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分子接合による樹脂と樹脂の高密着性接合に関する研究
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
2019年05月-2020年05月研究内容 :
多管式熱交換器の構造は円筒形の胴体(シェル)があり、その中に細い伝熱管(チューブ)が複数本入った構造である。チューブの内側と外側に異なる温度の流体を流す事で、熱交換が行われる。金属製多管式熱交換器は強酸性・強アルカリ性溶液では腐食する問題がある。しかし、樹脂(ポリエチレン)製の多管式熱交換器は耐酸性・耐アルカリ性であるがポリエチレンといったプリオレフィン系の材料は溶着や接着が難しく、ポリエチレン製のシェルとチューブの接合強度が十分ではないため、液漏れ、圧力異常が発生し安全性に課題がある。本研究は、分子接合によって樹脂と樹脂の高密着性接合方法を確立することによって、軽量で酸性・アルカリ性溶液に耐性のある樹脂製熱交換器の製造方法を確立することを目的とする。
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急速混合法による希土類元素含有層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2019年04月-2020年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は高い生体親和性ならびに陰イオン交換能をもち,薬剤をLDHの層間へ取り込み,無機系ドラックキャリアとして注目されている.とくにLDH粒子は正に帯電しているため,表面が負に帯電している細胞表面へ吸着しやすく,エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれる.しかし,LDHの細胞への輸送機構や細胞内におけるLDHの挙動は明らかになっていない.これまで,固相反応法により希土類元素をLDH基本層に固溶させた(RE-LDH)の合成に成功しているが,粒子サイズと水溶液中での分散性に問題があった.本研究では,粒子形状ならびにサイズが均一,かつ水溶液中で分散性が高いLDHを合成できる急速混合法により,RE-LDHの合成を試みさらにLDHの細胞内動態を観察する蛍光プローブとして応用を目的とする.この成果はLDHを基材とした無機系ナノキャリア・プローブ材料の創製に発展する可能性がある.
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水熱反応による水酸化マグネシウムからの層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2020年04月-2021年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は2価-3価の金属水酸化物からなる基本層と陰イオンと水分子からなる中間層が積層した構造をしている.LDHは高分子材料の機能性を向上するためのフィラーとして利用されており,その結晶性は高分子材料の機能性に大きな影響を与える.一般的な合成法である共沈法で合成したLDHは凝集にともなう結晶性の低下,すなわち高分子材料への分散性も低下する.一方,固体の水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)にAl3+存在下,水熱反応することによりMg2+の一部がAl3+にて置換され,Mg(OH)2の結晶性と粒径を保持したままLDHへ相転移することが明らかになっている.そこで本研究では,Mg(OH)2を用いた水熱反応を用いたLDHの合成を試み,LDHの結晶性ならびに粒径におよぼす反応条件の影響を検討する.
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急速混合法による希土類元素含有層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2018年04月-2019年02月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は高い生体親和性ならびに陰イオン交換能をもち,薬剤をLDHの層間へ取り込み,無機系ドラックキャリアとして注目されている.とくにLDH粒子は正に帯電しているため,表面が負に帯電している細胞表面へ吸着しやすく,エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれる.しかし,LDHの細胞への輸送機構や細胞内におけるLDHの挙動は明らかになっていない.これまで,固相反応法により希土類元素をLDH基本層に固溶させた(RE-LDH)の合成に成功しているが,粒子サイズと水溶液中での分散性に問題があった.本研究では,粒子形状ならびにサイズが均一,かつ水溶液中で分散性が高いLDHを合成できる急速混合法により,RE-LDHの合成を試みさらにLDHの細胞内動態を観察する蛍光プローブとして応用を目的とする.この成果はLDHを基材とした無機系ナノキャリア・プローブ材料の創製に発展する可能性がある.
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層状複水酸化物-カーボンナノチューブ複合材料の合成
文部科学省「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」
資金支給期間 :
2017年08月-2018年03月研究内容 :
無機機能材料の一つである層状複水酸化物(LDH)は、陰イオン交換能をもつ粘土鉱物の一種であり、医薬用制酸剤、陰イオン交換体、触媒など幅広い分野で利用されている。一方、単層カーボンナノチューブ(Single-walled carbon nanotubes, SWCNTs)は、その直径と巻き方によって金属や半導体になるなどの電気的特性、非線形光学特性や、極めて強靭な機械的特性、ダイヤモンドを超える熱伝導特性などが期待され、ナノテクノロジーの代表的な新素材として注目を浴びている。本研究では、上記のLDHとCNTを組み合わせた新規ナノハイブリッド材料を合成し、その電気化学的特性を明らかにすることを目標とする。本研究テーマでは昨年度までに、研究グループが考案した「急速混合-水熱法」を基にした方法により小粒径・高分散性Mg-Al系LDHの合成を行った。また、昨年度、一関工業高等専門学校内にCNTの合成システムを構築し、CNTの合成が可能となった。今年度は、LDH-CNT複合材料の合成およびその電気特性の評価を試みる。
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急速混合法による希土類元素含有層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2017年04月-2018年02月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は高い生体親和性ならびに陰イオン交換能をもち,薬剤をLDHの層間へ取り込み,無機系ドラックキャリアとして注目されている.とくにLDH粒子は正に帯電しているため,表面が負に帯電している細胞表面へ吸着しやすく,エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれる.しかし,LDHの細胞への輸送機構や細胞内におけるLDHの挙動は明らかになっていない.これまで,固相反応法により希土類元素をLDH基本層に固溶させた(RE-LDH)の合成に成功しているが,粒子サイズと水溶液中での分散性に問題があった.本研究では,粒子形状ならびにサイズが均一,かつ水溶液中で分散性が高いLDHを合成できる急速混合法により,RE-LDHの合成を試みさらにLDHの細胞内動態を観察する蛍光プローブとして応用を目的とする.この成果はLDHを基材とした無機系ナノキャリア・プローブ材料の創製に発展する可能性がある.
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急速混合法による小粒径・高分散性Ni-Co 系層状複水酸化物の合成
文部科学省「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」
資金支給期間 :
2016年10月-2017年03月研究内容 :
無機機能材料の一つである層状複水酸化物(LDH)は、陰イオン交換能をもつ粘土鉱物の一種であり、医薬用制酸剤、陰イオン交換体、触媒など幅広い分野で利用されている。一方、単層カーボンナノチューブ(Single-walled carbon nanotubes, SWCNTs)は、その直径と巻き方によって金属や半導体になるなどの電気的特性、非線形光学特性や、極めて強靭な機械的特性、ダイヤモンドを超える熱伝導特性などが期待され、ナノテクノロジーの代表的な新素材として注目を浴びている。本研究では、上記のLDHとCNTを組み合わせた新規ナノハイブリッド材料を合成し、その電気化学的特性を明らかにすることを目標とする。今年度、本研究テーマでは、研究グループが考案した「急速混合-水熱法」を基にした方法により小粒径・高分散性Ni-Co系 LDHの合成を試みる。
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マグネタイト@層状複水酸化物コアシェル複合体の合成とその特性
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2016年04月-2017年02月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は,低細胞毒性,高生体親和性および陰イオン交換能をもつ無機ナノ粒子の一つで,
近年ドラッグキャリア材料に応用する研究が行われている.一方,鉄酸化物ナノ粒子は造影剤やドラッグキャ
リア,ハイパーサーミヤなどに利用されており,LDHと鉄酸化物ナノ粒子によるコアシェル構造体を形成するこ
とで,多機能性のドラックキャリア材料を構築できる可能性がある.本研究では,鉄酸化物ナノ粒子としてマグ
ネタイトを用い,その表面上にLDHを階層的に積層させ,マグネタイト@LDHコアシェルの合成を試みる.また,
このLDH領域へのポルフィリン類の取り込みを検討し,マグネタイト@LDH@ポルフィリンの合成とその細胞毒
性,交流磁場によるポルフィリンの放出ならびに一重項酸素の発生について検討する. -
天然ケイ酸塩を基材とした新規な飼料添加剤の開発
研究成果展開事業マッチングプランナー プログラム「探索試験」
資金支給期間 :
2016年01月-2017年01月研究内容 :
国産ならびに輸入農産物からカビ毒汚染が見つかっている.そのため食品に対するカビ毒の規制値や監視体制は整備されているが,カビ毒に汚染された飼料を摂取した家畜の繁殖障害や肝・腎臓障害に伴う生産性の低下ならびに人間への影響が危惧されている.これらの問題を解決するため,飼料添加剤としてケイ酸塩を家畜飼料に配合し,カビ毒を吸着・除去,家畜への体内移行を抑制する方法がとられている.しかし,現在市販されている試料添加剤の大部分は輸入品であり,比較的高価である.本申請課題では国内で豊富に産出するケイ酸塩を化学的な処理,すなわち有機修飾(レシチン類)することで,高性能で安価,安全性の高い飼料添加剤の開発を行う.
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アルコール溶媒中における層状複水酸化物への薬剤の取り込み挙動
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2015年04月-2016年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は,生体親和性が高く,負に帯電した細胞表面へ容易に吸着し,細胞内へ取り込まれやすいため,LDHをドラッグキャリア材料として利用する研究が近年注目されている.一方,炭酸型LDHは,炭酸イオンとLDH基本層が静電的に強く相互作用しているため,イオン交換反応による各種陰イオンの取り込みは困難とされていた.しかし,アルコール溶液中における脱炭酸に伴い,LDH層間へ薬剤を取り込む方法が報告された.本研究では,LDHへの取り込みが困難である水に難溶性の薬剤を,上述の方法を用いてLDH層間へ取り込み,新規な薬剤/LDHの合成を目的とする.薬剤としては抗がん剤として利用されている5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2-フルフリル)ウラシル(Tegafur)を用い,脱炭酸の促進が期待できる酸-エタノール混合溶液または各種アルコール溶液中でのイオン交換反応による薬剤の取り込み挙動を調べ,その化学的特性とTegafur/LDHの細胞毒性を評価する.
※共同研究希望教員との役割分担も明確に記載ください。(一般研究課題)
Tegafur/LDHの合成は,0.1 M HCl-EtOH溶液とEtOHを所定量混合したHCl-EtOH溶液または各種アルコール溶液を用いて所定濃度のTegafur溶液を調製し,窒素雰囲気下において炭酸型LDHを所定量加え,所定温度,所定時間,撹拌することにより行う.その際,Tegafurの取り込みにおよぼす反応条件を系統的に調査する.固体生成物はXRD,FT-IR,固体13C-NMRなどにより評価し,詳細な構造決定を佐藤研究室と共同で実施する予定である.また,Tegafur/LDHの細胞毒性は,モデル細胞としてHeLa細胞(ヒト,子宮頚がん由来)に所定量のTegafur/LDHを添加し,WST-8試験による細胞生存率を実施する予定である. -
分子接合技術による革新的ものづくり製造技術の研究開発
戦略的イノベーション創造プログラム
資金支給期間 :
2014年11月-2019年03月研究内容 :
これまで岩手大学が培ってきた革新的シーズ「トリアジンチオール誘導体による分子接合技術」が有する非材料依存性、非接合条件依存性及び非環境条件依存性の解明とその確立を図るとともに、当該技術を活用した新しい機能性製品や軽量、低コスト化製品等の創出に資する研究開発を進め、技術移転を図ることにより、被災地域及び我が国のものづくり産業のイノベーション創出を図ることを目的とする。
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固相反応法による希土類元素含有層状複水酸化物の合成
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2014年04月-2015年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は陰イオン交換能をもち,薬剤やDNAなどの生体分子をLDH層間へ保持することができるため,無機系ナノキャリア材料として注目されている.とくにLDH粒子は正に帯電しているため,表面が負に帯電している細胞表面へ吸着しやすく,エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれる.しかし,LDHの細胞への輸送機構や細胞内におけるLDHの挙動は明らかになっていない.一方,希土類元素(RE)をLDH基本層に固溶させるとLDHに蛍光特性を付与することができ,希土類元素含有LDH(RE-LDH)は細胞内動態を観察する蛍光プローブとして利用できる可能性がある.本研究では,粒子形状ならびにサイズが均一かつ小粒径のLDHを合成できる固相反応法により,RE-LDHの合成を試みさらにLDHの細胞内動態を観察する蛍光プローブとして応用を目的とする.この成果はLDHによる「感染性のない」「安全性が高い」「薬物の輸送効率が高い」「pH応答性を持つ」など,多くの機能を備えたDDS構築をはじめ,新しい無機系ナノキャリアの創製に発展する可能性がある.
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層状複水酸化物を基材とした新規なドラッグデリバリー材料の創製
平成25年度教育研究支援経費
資金支給期間 :
2013年05月-2014年03月研究内容 :
本申請課題の最終目標は無機ナノ材料をベースとしたドラッグデリバリー材料の創製である.無機ナノ材料の一種である層状複水酸化物(LDH)は,その高い生体親和性や陰イオン交換能などを持ち,近年,ドラッグデリバリーシステム(DDS)を構築するうえで重要な無機ナノ材料として注目されている.しかし,細胞にLDHを作用させた際,培地や緩衝溶液中において粒子が凝集し,凝集体の状態で細胞内へ取り込まれる.そのため,細胞内への薬剤の輸送効率の低下やナノサイズのLDHの細胞内への輸送形態や細胞内動態が明らかにされていないため,in vitroからin vivoへの展開が困難という課題がある.これらの問題を解決するために,固相反応法を用いた小粒径LDHの合成,高結晶性・高分散性LDHの合成法の確立を目標とし,さらに,LDHの細胞内動態を可視化するため同方法による希土類元素含有/LDHの合成を試み,これらのLDHを細胞に作用させLDHの細胞内動態の観察・解明を目指す.この成果から,LDHをベースとしたドラッグデリバリー材料の開発につなげる.
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新規高機能高性能両親媒性化合物の設計とこれを利用する次世代高効率機能性有機無機複合材料の開発
全学経費(学長裁量経費を除く)
資金支給期間 :
1900年-継続中研究内容 :
本提案では、災害に対応可能な分散型インフラ構築のために、有機化学および無機化学の見地に立ち、エネルギーの高効率利用技術の開発を多角的に実現可能な技術開発を目的とする。新たに両親媒性化合物の設計と合成を行い、これを活用した、Ⅰ.洗浄剤としての高性能界面活性剤、Ⅱ.非化石資源を用いるリサイクル可能な高耐熱・高耐候性エラストマー・樹脂、Ⅲ.多機能型ドラッグデリバリーシステム、Ⅳ.低コスト・低消費電力化に寄与する有機無機複合発光体や有機半導体デバイスならびにそれら製造技術、Ⅴ.デバイス間のエネルギー伝達の高効率化のための摩擦力の高度な制御技術の開発を目的とする。
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ポルフィリン/層状複水酸化物ナノ複合体の合成とその光化学的特性
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2013年04月-2014年03月研究内容 :
近年,層状複水酸化物(LDH)は高い生体親和性が着目され,LDHへ生体分子を取り込んだLDHナノ複合体が生体分子のキャリア材料への応用が注目されている.また,ポルフィリンは,がん組織への特異的な集積性や光励起による一重項酸素の発生に伴う細胞破壊効果を利用した光線力学的療法(PDT)に用いられているが,集積性や一重項酸素の発生効率が低いなどの問題がある.一方,LDHとポルフィリンとの複合化に関する研究は報告されているが,ヘミンおよびプロトポルフィリンIXに関する報告例はない.本課題では,PDTへの応用を最終目的とし,ポルフィリン/LDHナノ複合体の合成およびその光化学的特性について検討する.
これまで申請者は,蛍光色素/LDHを合成し,その細胞内動態について検討を重ねてきた.その結果,LDHは細胞内へ容易に取り込まれ,細胞内において蛍光色素を放出する様子を観察している.このことから,LDHをポルフィリンのキャリア材料として用いることで,がん組織へポルフィリン/LDHを集積させ,細胞内にポルフィリンを効率的に放出することができれば,一重項酸素の発生効率を改善しPDTに利用できるナノ材料としての応用が期待される. -
抗がん剤/層状複水酸化物ナノスフィアの合成とその細胞増殖抑制効果
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2012年04月-2013年03月研究内容 :
層状複水酸化物(LDH)は無機ナノ粒子の一種であり,陰イオン交換能ならびに高い生体親和性を持つことから,ドラッグデリバリー材料として期待されている.本研究では,細胞への薬剤の輸送や細胞内における薬剤の放出改善を目的とし,D-グルコースを水熱処理することで合成できるカーボンナノスフィア(CNS)を鋳型として用い,LDHの粒径および形状を制御したLDHナノスフィア(LDH-NS)の合成を試みる.また,LDH-NSに抗がん剤を取り込ませた抗がん剤/LDH-NSPの合成も挑戦し,その細胞増殖抑制効果について検討する.
これまで申請者は,抗がん剤(5-フルオロウラシル:5FU)/LDHを合成し,培養細胞に対する細胞増殖抑制効果が5FUに比べ高くなることを見出した.また,その抑制効果はLDHの粒径に依存することも明らかにした.しかし,LDHの粒径を制御しながら球状にするのは困難である.そこで,LDH-NSを経由し,粒径を100~200 nmに制御できれば,血中投与時にがん組織への蓄積性を持つLDHを得ることができる.また,LDH-NSは中空にすることで細胞内におけるLDHの溶解に伴う薬剤の放出促進が予想される.したがって,LDH-NSはがん組織に対する蓄積性ならびに薬剤の輸送効率が高い無機ナノ粒子をベースにしたドラッグデリバリー材料としての応用が期待できる. -
天然鉱物等の無機材料を利用した環境からの放射性物質回収・除去技術等の開発
科学技術戦略推進費
資金支給期間 :
2011年07月-2012年03月研究内容 :
福島原発事故で喫緊の課題となっている、環境中の放射性物質の回収・除去技術を開発・実証し、実際の汚染除去を実現することを目指す。対象核種としては、既に大量に環境中に飛散しているにもかかわらず、半減期が長く、経時による減少が見込めない放射性セシウムを主たる対象としてシステム開発を進める。
このうち、独立行政法人物質・材料研究機構では、天然鉱物等の無機材料を利用した環境からの放射性物質回収・除去技術等の開発を目的として、セシウムの選択的吸着機能が知られるモルデナイト、スメクタイトなどの天然鉱石を利用したセシウム回収・除去技術の開発、高秩序メゾポーラス材料によるヨウ素吸着材の開発を、11機関(国立大学法人北海道大学、国立大学法人岩手大学、国立大学法人東京工業大学、国立大学法人島根大学、国立大学法人宮崎大学、公立大学法人首都大学東京、学校法人金沢工業大学、独立行政法人日本原子力研究開発機構、独立行政法人国際農林水産業研究センター、独立行政法人産業技術総合研究所、財団法人電力中央研究所)によるその他天然鉱物等の無機材料の農地土壌を想定した環境下でのセシウム等の元素の吸着・除去特性についての研究成果を得た上で行うほか、これら検討結果の取りまとめを行うとともに、プロジェクトの総合的推進を行う。 -
ペプチド/層状複水酸化物ナノ複合体の合成と非ウィルスベクターへの応用
物質・デバイス領域共同研究拠点
資金支給期間 :
2011年04月-2012年03月研究内容 :
近年,ドラッグデリバリーならびに非ウィルスベクター材料として層状複水酸化物(LDH)が注目されている.LDHは,陰イオン交換能を持つことから,インターカレーション反応を用いた,有機化合物/LDH複合体の合成における基盤物質として用いられている.本申請課題では,LDHへのインターカレーション反応を用い,たんぱく質を構成するペプチドとLDHとの複合化に着目し,ペプチド/LDH複合体の合成ならびにその細胞毒性について調べ,新規なペプチド/LDH複合体を母体とした非ウィルスベクターの創製を試みる.
LDHは制酸剤として多くの医薬品に含まれており,生体親和性が高いことからLDHへのベクター機能の付与が期待できる.しかし,LDHの細胞毒性ならびに細胞内へのたんぱく質や薬物の送達能力について詳細な研究は行われていない.また,ペプチドは人体にとって重要な機能を担っているが,熱安定性ならびに耐酸性が低いため安定化が求められている.ペプチドはLDHとナノレベルでの複合化にともない熱安定性,耐酸性ならびに生体親和性の向上が予想され,細胞への送達能力の向上も期待できる.以上のことから,ペプチド/LDH複合体に,薬物,たんぱく質,遺伝子などを送達する能力を備えられれば,感染性がなく,安全性の高い,低コストで量産可能な多くのメリットを備えた新しい有機/無機非ウィルスベクターへの展開が期待できる. -
層状複水酸化物を基材とするドラッグデリバリー材料の開発
平成22年度 財団法人日本化学研究会 化学研究連絡助成金
資金支給期間 :
2011年03月-2012年02月研究内容 :
近年,新薬の開発が難しくなり,さらに薬物の特許切れの問題から,既存の薬物を工夫することで薬理効率の向上を目指したドラッグデリバリーシステム(DDS)が注目されている.現在,ドラッグデリバリー材料を目的とした様々なナノ粒子に関する研究開発が行われており,ナノレベルで構造を制御した各種ドラッグデリバリー材料が報告されている.一方,層状複水酸化物(Layered double hydoroxide: LDH)は,層間へ陰イオンを取り込むことが可能であり,生体親和性が高いためドラッグデリバリー材料への応用が期待されている無機ナノ粒子一つである.本申請課題では,抗がん剤をLDHへ取り込んだ「抗がん剤/LDH複合体」を合成し,さらにLDHの粒子サイズ・形状の制御を試みる.また,抗がん剤/LDH複合体の細胞毒性,つまり細胞への抗がん剤の輸送効率の向上を最終目的とした.細胞への抗がん剤の輸送効率を改善できれば,LDHは,非ウィルスベクターのような感染性が低い,安全性が高い,低コストで量産可能など多くのメリットを備えたドラッグデリバリー材料としての役割を果たすことが期待できる.
ドラッグデリバリー材料に付与したい性能は,1)薬物放出の制御,2)薬物の標的指向化(ターゲティング),3)薬物の吸収促進である.これまで個々の性能を持つドラッグデリバリー材料は数多く研究・開発されてきたが,薬物の多様化,医療技術の高度化に伴い,多くの機能を併せ持つドラッグデリバリー材料の開発が求められている.しかし,すべての性能を付与することは困難である.とくに3)薬物の吸収促進,つまり薬物の細胞への輸送効率の改善が重要である.ドラッグデリバリー材料としてLDHを利用する場合,LDHは細胞表面へ吸着し,細胞内へ迅速に取り込まれ,細胞内のエンドソームにおいて溶解されることで薬物を放出,速やかに代謝される.従って,他のドラッグデリバリー材料に比べて分解されやすく,かつ蓄積性が低いため生体への負荷が低いことが予想される. -
層状水酸化亜鉛/紫外線吸収剤ナノ複合体の合成とUV防御特性
物質・デバイス領域共同研究拠点共同研究課題
資金支給期間 :
2010年06月-2011年03月研究内容 :
オゾン層破壊に伴うオゾンホールの発生により,地表へ降り注ぐ紫外線量の増加は人間に対し身近な環境問題であり,様々な産業において高性能な紫外線防御剤(UV防御剤)の開発が注目されている.現在一般に使用されているUV防御剤はUV吸収剤(有機化合物)とUV散乱剤(無機化合物)に大別される.UV吸収剤は高いUV吸収能をもっているが,人体に対する有害性が認められているため使用量に制限がある.一方,酸化チタンや酸化亜鉛などのUV散乱剤は人体への危険性は少ないものの,可視光線の反射に伴う白浮きなどの欠点があり,粒子形状および粒子サイズの制御による改良が行われている.
近年,有機物と無機物がナノオーダーで複合化したナノハイブリッド化合物の研究が行われている.なかでも無機層状化合物の層間へ有機化合物を取り込ませるインターカレーション反応は,層間における有機分子の配向や配列制御が可能であり,新規有機−無機ナノハイブリッド化合物の合成法として広く利用されている.
そこで本研究では,UVの散乱能および吸収能を同時に発現可能なUV防御剤の開発を目指し,層状水酸化亜鉛(Layered Zinc Hydroxide: LZH)へのUV吸収剤をインターカレーションしたUV吸収剤-LZH複合体の合成ならびにそのUV防御能について検討する. -
秋期入学支援計画
平成20年度 9月入学支援経費事業
資金支給期間 :
2008年07月-2009年01月研究内容 :
交流協定校ではあるが本学への工学研究科への進学の実績はない寧波大学、華南理工大学を対象に、相手大学から推薦された留学生が本研究科に中国での学部卒業後直ちに本研究科に進学できるようなシステムを構築すべく、訪問調査を実施した。新たに、ベトナムホーチミン工科大学に関しても秋期入学の実施に向けた訪問調査を実施した。
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有機−無機ナノ複合体からなる高性能紫外線防御剤の開発
平成15年度笹川科学研究助成
資金支給期間 :
2003年04月-2004年02月研究内容 :
本研究では,UV散乱およびUV吸収能を同時に機能することが期待される新規なUV防御剤の開発を行うため,層状水酸化亜鉛(Layered Zinc Hydroxide:LZH)に着目し,高性能UV防御剤合成法の確立を目的とした.